図面だけでは読み取れない間取りの雑学| 仏壇・神棚のマナーと「家のへそ」
こんにちは!
ジューテックホームのリフォーム・リノベ担当、fighting-Pです。
最近は「家に仏壇や神棚を置かない」「そういった慣習にはあまり興味がない」というご家庭も多いと思います。そのため、今回のテーマは少し偏った内容に聞こえてしまうかもしれません。
それでも、代々大切に受け継いできた神棚や仏壇を、今も変わらず守ってこられている方たちもまた、多くいらっしゃいます。
そして、新築やリフォームの間取りを考えているとき、お施主様から「そういえば……!」と意外に高い確率でご相談いただくのが「仏壇や神棚って、どこに置けばいいの?」という疑問なんです。
「向きや部屋にルールはある?」
「同じ部屋に置いちゃダメ?」
「リフォームで移動しても大丈夫?」などなど。

今回は、知っておくと安心な「仏壇・神棚の配置の基本とマナー」と、昔から日本の家づくりで大切にされてきた「家のへそ」という面白い考え方、そして私の持論!も含めた解釈についてお話ししたいと思います。
仏壇・神棚を置くときの基本ルールとマナー
まずは、仏壇と神棚の配置についてよくいただく質問をおさらいしておきます。

1.どっちを向ける?(方角など)
神棚: 「南向き」または「東向き」(お札の正面が南か東を向く)に置くのが基本です。太陽の光が当たる明るい場所が良いとされています。
仏壇: 神棚と同じく「南向き」「東向き」が良いとされることが多いですが、実は宗派によって「本山のある方角に向かって拝む」など考え方が様々あります。
💡大前提として・・・ご贔屓にされているお寺や、信仰されている宗派がある場合は、まずご菩提寺(お寺)や神社に確認していただくのが一番確実で安心です。
2.リフォームで「置き場所を変える」とき
「今の和室から、リビングへ移動したい」というご相談も増えています。場所を移動すること自体はもちろん問題ありません!
宗派やご家庭のお考えにもよりますが、移動時に気になる場合は、お寺さんに「魂抜き(閉眼供養)」や「魂入れ(開眼供養)」をお願いされる方もいらっしゃいます。ご自身の気持ちやご家族の意向に合わせて、無理のない形で進めていってほしいです。
3.「仏壇」と「神棚」は同じ部屋に置いても大丈夫?
結論から言うと、同じ部屋に置くことは全く問題ありません!
ただし、神様や仏様に失礼のないよう、配置と向きについて次の3つの注意点をご紹介します。
NG①:向かい合わせ(対立祀り)にする
片方にお参りするときにもう片方にお尻(背中)を向けることになり、失礼にあたるため避けましょう。
NG②:上下に重ねて配置する
神棚の真下に仏壇を置くなど、上下に重ねると優劣をつけることになり良くないとされています。
OKの配置:神棚を中心近く、仏壇はその脇へ
同じ部屋や同じ壁面に横並びで置く場合は、神棚を部屋や壁面の中心近く(中央寄り)に配置し、仏壇はその脇の位置にお互いの中心を少しずらして置くのがベストです。同じ向きか、近い方向を向くように配置しましょう。
4.高さと「お参りの順番」のマナー
高さの基本: 神棚は人の目線より高い位置にお祀りし、仏壇は座って手を合わせやすい高さに整えるのが一般的です。
お参りの順番: お参りの順番については、一般的には神棚を先に拝み、そのあとに仏壇へ手を合わせるのが良いとされています。
5.最近は「コンパクト仏壇」という選択も
「大きな仏壇だと、リビングの雰囲気に合わない……」「大きな仏壇を置く余裕がない」などとお悩みの方には、最近では家具調のおしゃれなコンパクト仏壇や、壁掛けタイプの神棚など種類が豊富です。

「代々受け継いできた大切なもの」と「これからの暮らしやすさ」のバランスを見ながら、現代のインテリアに馴染むデザインを選ぶお施主様も増えています。
結局、一番ふさわしい場所はどこ?
色々ルールをお話ししましたが、現代の家づくりにおいて私が一番ふさわしいと思っている場所は 「家族が集まる場所で、みんなが日常的にお参りしやすい場所」です。
昔のように「誰も使わない立派な仏間」にポツンとお祀りするよりも、毎日みんなの笑顔が見えるリビングやダイニングの片隅、あるいはそこに隣接する部屋などにある方が、神様やご先祖様も絶対に嬉しいのではないかなと。
人が頻繁に行き来して落ち着かない場所や、直射日光・湿気が多すぎる場所などを避ければ、リビングの一角にきちんとお祀りスペースを作るのも正解だと思っています。
現代の住まいに提案したい「家のへそ」という考え方
神様やご先祖様の場所が決まったところで、もうひとつ家づくりでお伝えしたいのが「家のへそ」という言葉です。
実はこの言葉、私がまだまだ駆け出しの若いころ、年配のお客様との打ち合わせの中で初めて教えていただいた言葉でした。当時の私は「へぇ〜!家にも『へそ』という考え方があるんだなぁ……」と、すごく新鮮で面白いなと思ったのを覚えています。
一般的に現代での「家のへそ」というと、大きく分けて次のような意味合いで使われます。
【中心の場所】 家の真ん中にあって、各部屋をスムーズにつなぐ中心地のこと
【暮らしの軸】 家族が自然と集まり、会話が生まれるリビングやダイニング
【心のよりどころ】 仏壇や神棚、床の間など、ご先祖を敬ったり季節のしつらえを感じたりする大事な空間
もともとは家全体の平面的な中心(重心)で、床の間や仏壇のある場所を指す言葉だったようですが、こうして見ると、ただの構造的な中心ではなく「家全体のまとめ役」のような意味を持っていることが分かります。
「じゃあ、建物の正確な中心になにか特別な空間を作らなきゃいけないの?」というと、現代の建築ではもちろんそんな必要はありません。
ですが、私はお客様から教わったこの「へそ」という素敵な考え方を「その家と家族の軸となる、シンボリックな空間づくり」として現代の住まいにもぜひ取り入れてほしいなと思っています。

例えば、建物の図面上の中心点にこだわらなくても大丈夫です。
家族が自然と集まる、陽当たりの良いリビングダイニング(暮らしの軸)
光が差し込む小さな中庭や吹抜け、お気に入りを詰めた自分だけの小部屋
廊下やリビングの壁を少しくりぬいてアルコーブ(くぼみ)やニッチ(凹み)をつくり、そこに旅先の思い出や好きなオブジェ、写真を飾る場所(心のよりどころ)
こんな風に、家の中にひとつ「ここが我が家の中心(へそ)!」と思える愛着のあるスポットを作ってみるのはいかがでしょうか?
仏壇や神棚の配置、そして「家のへそ」という概念。
これらは単なる古い言い伝えではなく、「住まいに軸をつくり、家族の心と暮らしを整えるための空間」でもあります。
間取りを考えるときは、ただ部屋を配置するだけでなく、こうした伝統的な考え方やプロのアイデアを少しだけでも取り入れてみてはいかがでしょうか?
「ルールを守りつつ、自分たちらしい中心がある家をつくりたい」
そんな想いを形にする新築やリフォーム計画を、ぜひ一緒に進めていきましょう!
fighting-P
