《建築士が考える・・・》家づくりで本当に大切な「基本の考え方」 ~憧れるのをやめましょう?~

家づくりを考え始めると・・・SNSで流れてくるような、おしゃれなインテリアや最新の設備に「憧れ」を抱くのは当然のことです。
でも、多くの家づくりをお手伝いしてきた一人の建築士(女性)として、最初にお伝えしたいことがあります。
それは、「憧れ」の実現ばかりに気を取られると、実は住みにくい家になってしまうということです。
今回は、満足度の高い住まいを作るためにあえて「逆説的な視点」でお伝えしていきます。

1.「憧れ」を一度手放してみる
「インスタで見かけたあのキッチン」「雑誌のような吹き抜け」……。こうした憧れは皆さんがお持ちだと思いますが、それがご自身の家族のライフスタイルに合っているかは別問題です。
憧れのカタチに自分たちの生活を無理やり当てはめると、どこかに歪みが生まれます。
大切なのは「そこでどう過ごしたいか」。見栄えの良さよりも、まずは日々の動線や使い勝手を優先することが、結果的に「快適な住まい」への近道になります。
2.「これまでの習慣」をどこまで連れて行くか
新しい家になれば全てが劇的に変わると思いがちですが、人の習慣はそう簡単には変わりません。
◎ 今の家で、つい出しっぱなしにしてしまうものはありますか?
◎ ついつい座ってしまう場所はどこですか?
これまでの習慣(ルーティン)を無視した設計にすると、新居ではストレスを抱えることになります。「新しい家だから頑張って片付ける」という決意に頼るのではなく、「今の習慣」を肯定し、それが自然にスムーズに流れる間取りを考えましょう。
3.「悪習慣」を断つためのプランニング
一方で、今の生活で変えたい「悪習慣」があるなら、間取りの工夫で解決できます。
◎ 脱ぎっぱなしの服 ➡ 玄関から直結のファミリークローゼットで解決。
◎ 出しっぱなしの郵便物 ➡ キッチンカウンターの一角に専用の「一時置き場」を設置。
悪習慣は「気合」で直すのではなく「そうせざるを得ない動線」を作ってしまうのがポイントです。


4.「逃げ場所」はありますか?
家族仲が良いのは素晴らしいことですが、家の中に「一人になれる空間」があるかどうかは、非常に重要なポイントです。
◎ 夫婦喧嘩をして、顔を合わせたくない時
◎ 子供の反抗期に、親として冷静になりたい時
◎ 兄弟喧嘩で、物理的に距離を置きたい時
どんなに仲が良くても、感情が爆発しそうな時に「逃げ場」がない家は、逃げ場のないストレスを生みます。
それは立派な個室である必要はなく、階段の踊り場のヌック、寝室の片隅にある書斎コーナー、あるいは鍵のかかる少し広めのパントリー。 「ここに入れば、ひとまず誰にも邪魔されずに冷静になれる」という聖域を作っておくことが、家族の平和を保つ秘訣ともなります。


最後に。あなたが「帰りたくなる家」とは
どんなに豪華な設備よりも、「帰宅して玄関を開けた瞬間、ふっと肩の力が抜ける感覚」。これこそが注文住宅で手に入れるべき価値だと思います。
また家づくりは、夢を詰め込む作業であると同時に、自分たちのリアルな日常を整理する作業でもあります。もっと自分らしく。 あなたの家族にぴったりの「距離感」や「動線」について、一緒に考えてみませんか?
「自分たちにとっての本当の心地よさ」を見つけたい方は、是非一度ご相談ください。

by fighting_p
