「今年の台風レポート」

台風の当たり年? 10月26日現在で31号が発生し、今年は異常気象のようです。
30号は温帯低気圧に変わりましたが、そのままの勢いで列島を通過したらと思うと...
建築業界にとっても、この気象状況は非常に厄介な存在です。
そこで、今年の台風レポートをまとめてみました。
「台風の定義とは」
台風(たいふう)とは、気象庁の定義において、北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(17.2m/s、34ノット)以上になったものを指します。
気象庁では、風速や強風の範囲に応じて以下のように分類を行っています。
強さによる分類(最大風速)
- (表現なし):17m/s以上 ~ 33m/s未満
- 強い:33m/s以上 ~ 44m/s未満
- 非常に強い:44m/s以上 ~ 54m/s未満
- 猛烈な:54m/s以上
大きさによる分類(風速15m/s以上の強風域の半径)
- (表現なし):半径500km未満
- 大型(大きい):半径500km以上 ~ 800km未満
- 超大型(非常に大きい):半径800km以上
※発生する海域や基準によって呼び名が異なり、同規模の現象でも北米・太平洋東部ではハリケーン、インド洋や南太平洋ではサイクロンと呼ばれます。
2026年の台風発生状況および日本への影響に関するまとめは以下のとおりです。
「2026年 月別台風発生数」
| 月 | 発生数(個) | 平年値(個) | 主な特徴・傾向 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 1 | 0.3 | 年初から発生 |
| 2月 | 1 | 0.1 | 珍しい冬台風の発生 |
| 3月 | 1 | 0.4 | 平年を上回るペース |
| 4月 | 1 | 0.6 | ハイペースな発生が継続 |
| 5月 | 2 | 1.0 | 2個発生 |
| 6月 | 2 | 1.7 | 初夏から発生が本格化 |
| 7月 | 5 | 3.7 | 発生数が加速 |
| 8月 | 10 | 5.7 | ピーク(統計開始以降トップクラスの多さ) |
| 9月 | 3 | 5.0 | 秋の台風シーズン |
| 10月 | 5 | 3.4 | 大型化・発達リスクに注意 |
| 11月 | 0 | 2.2 | – |
| 12月 | 0 | 1.0 | – |
| 合計 | 31 | 25.1 | 平年を大きく超える年間発生数 |
※10月26日時点の集計データです。
【2026年台風のポイント】
- 夏(6〜8月)の集中発生: 6月〜8月だけで17個もの台風が発生し、過去最高レベルのハイペースとなりました。
- スーパーエルニーニョの影響: 海面水温の上昇に伴い、南洋で発達した「猛烈な台風」が多く発生したのが大きな特徴です。
- 動きの遅さと長引く影響: 複雑な進路を取ったり、速度が上がらず同じ地域に大雨や暴風をもたらすケースが目立ちました。
- 台風の発生数とペース
- 1月から8月にかけて月間平年数を上回るペースで発生し、9月1日時点で早くも24個に達しました。
- 特に6月から8月の夏にかけては17個が発生し、平年(11.0個)を大きく上回り、統計開始以降で3位タイの多さとなりました。
- 夏場に台風が多く発生した主な要因として、偏東風波動の活発な活動などが挙げられています。3
- 日本への接近数と上陸数
- 日本への接近数(上陸を含む):10個
- 日本への上陸数:3個
- 発生数は平年より大幅に多いペースでしたが、発生数と日本への上陸数は必ずしも比例せず、上陸数は3個にとどまっています。
- 10月以降の傾向と注意点
- 10月以降は発生ペース自体は落ち着く傾向にあるものの、秋雨前線との組み合わせによる大雨や、大型の台風が接近・上陸するリスクは残るため注意が必要です。
2026年の台風には、主に次のような特徴が見られます。
- ハイペースな発生と夏の多さ
- 1月から夏場にかけて平年を上回る非常に早いペースで台風が発生し、特に6月〜8月の夏期には17個が発生するなど、過去にないほどの多さとなりました。
- 「非常に強い」「猛烈な」勢力への発達
- エルニーニョ現象が続いている影響もあり、日本から離れた海域で発生した台風が暖かい海上を長く進むことで、十分に発達しやすい環境が整いました。この結果、中心気圧が900hPaを下回るような「猛烈な台風」や「非常に強い台風」が複数観測されています。
- 動きの遅さによる影響の長期化
- 夏から秋にかけての台風は、上空の風が比較的弱いために移動速度が遅くなったり、複雑な進路を取ったりする傾向が見られました。これにより、同じ地域で大雨や暴風、高波などの影響が長時間にわたって続くケースが発生しています。
- 前線との組み合わせによる離れた地域での大雨
- 台風の中心が直接接近していなくても、停滞する秋雨前線に暖かく湿った空気が流れ込むことで活動が活発化し、台風から離れた遠隔地でも大雨や土砂災害などの被害をもたらす特徴が見られました。

スーパーエルニーニョとは、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海面水温が平年より大幅に(一般に2℃以上)高くなる現象であり、2026年は観測史上最も強い「スーパーエルニーニョ(別名:ゴジラ・エルニーニョ)」の発生が進行しています。
- 記録的な水温上昇: 2026年9月の監視海域の海面水温は基準値との差が+4.0℃に達し、1949年以降で最も高かった1997年12月の+3.6℃を大きく上回る過去最大の強さとなっています。
- 世界的な異常気象: 世界各地で極端な高温、干ばつ、森林火災、豪雨などのリスクを高める要因となっています。
- 日本への影響(暖冬・大雪・台風): 日本付近では冬にかけて暖冬傾向となる一方、日本海側の山沿いなどでは「ドカ雪(大雪)」への警戒や、台風の発生増加・強い勢力での接近が懸念されています。
- 建設業界における台風の影響は、現場の物理的な作業停止にとどまらず、工程管理、資金繰り、契約上の交渉など多岐にわたります。主な影響は以下の通りです。
- 工期の遅れと引き渡しスケジュールのズレ
- 暴風や大雨により、屋外作業、クレーン作業、基礎のコンクリート打設などが中止・中断を余儀なくされ、工程が数日から数週間遅れる。これに伴い、建物の完了・引き渡し時期や施主からの最終入金スケジュールが後ろ倒しになる。
- 台風接近のたびに、足場のメッシュシートの巻き上げ・取り外し、資材のロープ固定、飛散防止のための屋内移動、仮設トイレやゴミ箱の養生といった突貫作業が発生する。現場代理人や施工管理者が事前の巡回や点検、業者への指示出しに追われ、通常業務が圧迫される。
- 工期遅延に対する工期延長の申し入れや、不可抗力(暴風雨等)による損害・追加費用の補償について、契約約款に基づき発注者と協議・交渉を行う必要が生じる。
- 台風に伴う道路の通行止め、港湾・空港の機能停止、配送遅延などにより、建築資材や設備の納品が遅れ、さらなる工程の遅延につながる。
- 工期の遅れと引き渡しスケジュールのズレ
8月から9月にかけて発生した相次ぐ台風や記録的な大雨により、複数の地域で大きな被害が生じています。
- 土砂災害・河川氾濫の発生:各地で土砂崩れや河川の氾濫、内水氾濫などが相次ぎ、広範囲で浸水被害が発生しました。
- 大規模な浸水被害(千葉県など):特に台風に伴う大雨の影響で、印旛沼周辺(成田市、印西市、栄町、佐倉市、酒々井町など)では堤防が決壊し、山手線の内側の約6割に匹敵する広範囲で深刻な浸水被害が確認されています。
10月ではすでに5個の台風が発生しており、今後の台風は大型化に発達するおそれがあります。11月~12月にかけても、注意が必要です。
「台風に対する事前対策と直前の備え」
家の外の備え(強風・飛散対策)
- 風で飛ばされやすいものを固定・収納する: ベランダや庭の鉢植え、物干し竿、ゴミ箱などを室内に取り込みます。
- 雨戸やシャッターを閉める: ロックを確実に行い、ない場合は飛散防止シートや養生テープを窓ガラスに貼り、カーテンを閉めてガラス破片の飛散に備えます。
- 排水溝の清掃: ベランダや雨樋の排水溝に葉っぱやゴミが溜まっていると溢れる原因になるため、清掃しておきます。
家の中の備え(水害・停電対策)
- 断水に備えた水の確保: 飲料水を1人1日3Lを目安に用意し、浴槽に水を張って生活用水(トイレ等)を確保します。
- 停電への準備: 懐中電灯やポータブルラジオ、予備の乾電池、スマートフォン用のモバイルバッテリーをフル充電しておきます。
- 非常用持ち出し袋の点検: 非常食、保存水、救急用品、常備薬、現金、貴重品などをすぐに持ち出せる位置にまとめます。
避難・情報収集
- ハザードマップの確認: 自宅周辺の洪水・土砂災害リスクや、指定避難場所へのルートを事前に把握します。
- 警戒レベルの確認: 自自治体から発令される避難指示(警戒レベル4)などに注意し、明るいうちや風雨が強まる前に安全な場所へ移動します。
以上がリポートとなります。
今後の気象情報には注視しつつ、日本の秋を楽しみましょう。
今後のリフォームイベントです。ぜひ、ご参加してください。

by koba